破れぬ誓い



「こっちは片づきましたっ!」


左の方から声が聞こえた。

きっと永倉さんの声だ。



「こっちも終わりましたよ。」


と、総司が血塗れになって歩いてきた。


「そうか。怪我人と死人は?」

「こちら側には死人は出てません、が、敵の1人が逃亡。怪我人は出てません。」


総司が慣れている様子で報告した。

アタシはペタンと座り込んでしまった。



「遥!?どうした!怪我したのか!?」


それを見た総司が慌ててアタシに聞く。


「なんでも、ないよ。」


アタシは虚ろな表情で総司に返す。


「総司、遥を連れて出ろ。」

「はいよ。」


アタシは総司に担がれるように建物の外に出ていった。





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