破れぬ誓い



何も言わず頭をなでる土方さん。

響いていたのはアタシの泣き声だけだった。



「っぐ…っぐ…。」

「泣き止んだようだな。」

「うぅ…はぃ…。」


「近藤さんに聞いたぞ。お前親殺されたんだってな。仇討つため新撰組に入ったのか?」


土方さんに隠し事はしたくなかった。

すべてを話したかった。



「…はい。」

「どんな野郎だ?」

「体が大きくて、ガタイのいい男でした。」

「それだけか?」

「あと、顔に…顔に刀傷を父がつけたはずです。」

「そうか。」


土方さんは「見つけたら教えてやる」と言って立ち上がった。






< 61 / 333 >

この作品をシェア

pagetop