破れぬ誓い
何も言わず頭をなでる土方さん。
響いていたのはアタシの泣き声だけだった。
「っぐ…っぐ…。」
「泣き止んだようだな。」
「うぅ…はぃ…。」
「近藤さんに聞いたぞ。お前親殺されたんだってな。仇討つため新撰組に入ったのか?」
土方さんに隠し事はしたくなかった。
すべてを話したかった。
「…はい。」
「どんな野郎だ?」
「体が大きくて、ガタイのいい男でした。」
「それだけか?」
「あと、顔に…顔に刀傷を父がつけたはずです。」
「そうか。」
土方さんは「見つけたら教えてやる」と言って立ち上がった。