破れぬ誓い




「なぁ、お前思うだろ?」

「あぁ。確かにな。」


廊下を歩いているとふと声が聞こえた。


「ったく、近藤さんも物好きだろ。」

「いや、変わり者だ。」

「まったくだな!」


「ハハハハ」と聞こえる2人分の声。

アタシは無意識に息を殺してしまった。


「あんなガキを入隊させるなんざおかしいだろ。」

「あぁ、しかし昨日の戦いだって腰を抜かしたそうじゃないか。臆病者をいれてもな。」

「それに、強いってのも嘘かもしれないぞ。」

「本当、いい迷惑だ。辞めちまえばいいのによ。」


また聞こえる笑い声。

背筋が凍りそうだった。

心臓が激しく動く。

気持ちが悪い。

手の平が痛い。



アタシが周りにこんな風に思われていたなんて。



アタシは何処かに行くことも話を聞いていることもできなくなった。


そこに立ちつくすだけだった。




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