破れぬ誓い



「嘘つくんじゃねぇよ。」


静かに怒気を含んだ冷たい声。

怒鳴るよりも恐ろしいその声。

きっと土方さんは声の主を睨み付けているに違いない。


「仲間のことを悪く言うような奴ぁ新選組にゃ必要ねぇよ。」

「い、いえ。」

「なにが“いえ”だ。ふざけんじゃねぇ!」


いきなり土方さんの声が大きくなった。

アタシまで驚いて身を固くしてしまう。


「「すっ、すいませんでしたぁっっ!!」」


二つの声は一斉に謝った。

その瞬間聞こえるドタバタという足音。

どうやら逃げ帰ったらしい。


アタシはその場に座り込んだ。





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