虹の世界
「おはようございます。」


ゆっくりと俺を見つけた彼女が、笑顔で挨拶をした。


「おはよう。」


ゆっくり彼女に近付いた。


「雨だよ?」


隣に立ち、傘の下をそっと窺った。


「雨……ですね。」


そう言って、優しく笑って空を見上げた。


「なかなか良いもんだって。」


「え?」


「雨の散歩もなかなか良いもんだって、吉永さん、言ってたでしょ?」


傘をそっとずらし、俺を見上げた。


「なかなか良いもんだった。」


「そりゃ良かった。」


「うん。良かった。」


笑って俺を……いや、空を見上げた。

俺も、空を見上げた。


「ねぇ、美羽ちゃん。」


「はい?」


「今度さ、デートしようか?」

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