虹の世界
6月もなかばを過ぎたある日。

前夜から振り続いた雨は、朝になっても止もうとしなかった。

梅雨も本格的になってきた。


「晴れてればね。」


そう言って笑った彼女を思い出していた。

でも、なんとなく、傘を手に、いつもの様に公園に向かっていた。


「居ないかな。」


殆んど諦めながら、公園の入り口に立った。










見つけた。










晴れてればね。










そう言って笑った彼女が、雨の中、傘を手に立っていた。










それは、本当に綺麗で、言葉を失った。










雨に打たれる彼女が、空を見上げていた。

釘付けになった俺は、暫く動けずに、ただ、彼女を見つめていた。


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