虹の世界
「これ、プレゼントにしたいんですけど。」


「………はい。」


カメラが俺と、商品を包む女性店員に向けられている。


「こんな感じで良いですか?」


「ありがとう。」


300円の編んだ布で出来た可愛いリング。

支払いを済ませ、後ろを見た。

ニヤニヤ笑う先輩。目が、早く行けと俺をせかしている。

カメラも回り続けていた。

覚悟を決めた。


「これ、君に。」


「………。」


無言で俺を見つめた。

今朝、公園で逢った時とは全く違う表情で。


「名前、何て言うの?」


作り慣れた笑顔で話しかける。


「え?」


「良かったら。あ、俺、AIRの吉永 瞭です。」


「…………美羽……です。」


知ってる。


ごめん。


明らかに、信じられないと言った表情の彼女。
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