おにぎり丼。
平凡な一日。

ささやかな喜びがあったり、ちょっとくやしいことがあったり、ほんのすこしどきどきすることがあったり、合間にレジから小銭を盗んだり、ヨッチーの靴を隠したり、ありきたりな一日だ。


ヒトシに飲み会の報告のメールを入れる。

返信はまだ来ない。

ヒトシも今夜は飲み会らしい。

まだ飲んでいるのだろうか。


空を見上げると、きれいな満月だった。

ひんやりとした秋の風が心地よい。


明日も同じ一日が来ると思っていた。



このときは、まさかあんなことが起こるなんて、想像もしていなかった。
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