おにぎり丼。

■初仕事

朝から冷たい雨が降っていた。

灰色の雲に覆われた、重く暗い一日だった。


アルバイト初日が無事に終了した。


レジの扱い方や、テーブルの拭き方など、ごく基本的なことを教わった。

2号店で契約社員として働いてきた私には、慣れた作業だった。

飲み込みが早いと誉められて、良い気分だった。


新人研修期間ということで、初日の勤務は、たったの3時間だった。

中途半端な時間帯なので、休憩室には誰もいない。


私は、誰かが休憩を取りに戻ってくるのを待つことにした。


工作員としての任務を円滑にこなすためには、なるべく早く店の内部に入り込むことが必要だ。



私は、時間をつぶすために、初日が無事に終わったという報告のメールを店長の携帯に送った。


五分もすると、すぐに返信があった。


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店にいるときはメールをつつしむべし(`´)
壁に耳あり障子にメアリー。
僕のことは『ヒトシ』と呼びなさい(^ε^)-☆Chu!!
『店長』はNGワードですぞ!?

☆ヒトシ☆
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ジェネレーションギャップを感じた。


確かに、敵地で、わざわざ自分の身を危険にさらすようなことはしないほうが良い。

報告メールは家に帰ってからでも、いくらでもできる。
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