おにぎり丼。
「みどりちゃん、だよね」

私に声をかけてきたのは、大学生風の男だった。

茶髪で長身。

いかにも女の子に人気のありそうなタイプだ。


「まだ休憩室にいたんだね。」


「あ。はい」


「最初は覚えることがたくさんあって大変じゃない?」


「はい。そうですね」


私がそう答えると、男は吹き出した。


「みどりちゃん、なんか緊張してない!?」


「え。そ、そんなことないです」


「なんか、顔、赤いしさ」


そう言われて、ますます顔が熱くなるのを感じた。


きっと彼はプレイボーイなのだろう。


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