おにぎり丼。
電車を降りて、しばらく歩いた頃だった。


誰かが私の後ろをずっとつけていていることに気付いた。

こっそり見てみると、だぼだぼのパーカーを着た男だった。

すっぽりフードを被っていて、大きなマスクをしている。

見るからに怪しい男だ。


嫌な予感がした。

試しに歩くペースを少し早めてみると、男もそれに合わせた。

……どうしよう!

まわりは、寂れた住宅地で、夜は人通りがない。


私は、思い切って走りだした。

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