恋〜彼と彼女の恋愛事情〜
悠人さんは・・・親とは違う接し方をしてくれた。
私の好みのものとか聞いて、それをちゃんと覚えていてくれて、誕生日のプレゼントは全部悠人さんからのものばかりだ。
悠人さんは親からもらえない愛情を私に接することで、わからせてくれていたんだ。
悠人さんからの思いを私がわかっていたことに、早瀬君はなぜか安心したように微笑んだ。
・・・どうして、こんなにいい人なんだろう・・・。
思っていた通りの人だな。
「秘書にならない?」
はい?
「秘書?」
「そう、俺の第一秘書」
早瀬君の秘書!?
そんな簡単に言うけど・・・
「学校とか・・・ムリ」
「学年10位以内に入ったら全額免除」
ま、またまた~。
何かの冗談ですか?
早瀬君の第一秘書と言えば・・・いずれ早瀬グループの社長でしょ?
社長の第一秘書?
・・・ムリじゃないかね?
・・・私にはそんな器はないよ・・・。
「本当ならどうするつもりだった?」
どうって・・・働いてお金貯めて、家をでるつもり。
だけど
「出られると思ってる?」
え?早瀬君の言葉が重くのしかかる。
「働いたら、育ててやったんだから金をよこせ・・・とかない?」
・・・ある・・かも。
そこまで考えてなかった。
働いてお金貯めたら、家を出られるって・・・それを目標にしてたのに。
でも、あの父親ならやりかねないかも・・・一生奴隷ですか?
「・・・どう、したら・・・」
なんか目の前が真っ暗になった。
「だから!俺の家に来いって言ってるだろ?」
「でも、でも・・・人一人面倒見るって大変なんだよ?食費とか光熱費とか・・・」
自分で生活することも出来ないのに・・・迷惑になるよ。
「俺が養ってやるから。・・・秘書になったらバリバリ働いてもらうし!」
笑顔で、さらっと私の気持ちの不安を取り除いてくれる。
「うん、・・・ありがとう」
どうして、こんなに優しいんだろう・・・。
なんでこんなにいい人なんだろう。
私なんかの為に・・・。
早瀬君。
・・・好きになってもいいですか?
思うだけなら許してくれますか・・・?