恋〜彼と彼女の恋愛事情〜


「俺もそのほうが言いと思う」

お店のドアが開いて悠人さんが戻ってきた。

「「悠人さん」」

「早瀬君の言葉に甘えたほうがいい。・・・香奈枝お前の親父はダメだ。今日という今日は心底あきれさせられた」

何があったんだろう?

「香奈枝をよろしくお願いします」

親代わりのけじめだからと言って、早瀬君に頭をさげてくれる悠人さん。

「わかりました。大切に預からせてもらいます」

きちんとした挨拶で返す早瀬君。

2人のやり取りに涙が溢れそうになる。

・・・私はもう一人じゃない。

力になってくれる人がいる。

大切に思ってくれてる人がいる。

この人たちに何が返せるか分からないけど、精一杯頑張っていこう。

そう心に誓った夜だった。










でも、










もう、すでにくじけそうです・・・。

早瀬君の家・・・・立派過ぎ!

そして勉強の教え方がスパルタ!

お店で教えてくれていたあの、紳士的な早瀬君はどこへ?

「そんなもん、悠人さんいるのにスパルタ出来る訳ねーだろ?」

・・・だ、そうで。

この、猫かぶりめ!

猫じゃらしで顔をパシパシしてやりたい。

スナップを利かせてパシパシパシパシ・・・

手首を振っていたら

「何を考えてる?」

・・・!見られてた!!

「い、いえなんでも・・・」

「くだらないこと考える暇があったら問題を解け!」

「ごめんなさーい」

もう、嫌だああああああぁぁああ。


秘書になんてなれない~~~~。


















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