恋〜彼と彼女の恋愛事情〜
それから日が経つにつれていつもの香奈枝に戻っていった。
俺の香奈枝への愛情は増すばかりだった。
そんなある日、悠人さんから連絡が入る。
「手続きが終わったから・・・それと・・・」
悠人さんからの電話が終わって俺は香奈枝の部屋に行く。
コンコン部屋をノックすると
「はい」
香奈枝の返事。
俺は深く深呼吸して部屋に入る。
「早瀬君、どうしたの?」
勉強している香奈枝の隣に座る。
「あのな、香奈枝」
改まっていることに気が付いたのだろう。
俺のほうをきちんと見た。
「お前に黙っていたことがあって」
「うん・・・」
「実は今日から香奈枝の父親が変わる」
「はい?」
香奈枝の目が見開く。
「悠人さんの養女になった」
「え・・・だって・・・・お父さんは・・・?」
「・・・・悠人さんが説得してくれて、納得してくれた」
「・・・そう」
香奈枝はちょっと複雑そうな顔をしていた。
「それと、お前の父親がここの土地を離れるって・・・」
「え?」
「今日、新幹線で発つって言ってたそうだ。行ってしまえば会うこともなくなるけど・・・」