恋〜彼と彼女の恋愛事情〜
「嘘なんてひとつもなかったよ」
そう言った俺に
「わかった。・・・ありがとう」
目に涙をいっぱい溜めて笑顔でその言葉を言うのかよ。
・・・なにやってんだ?・・・俺。
「純」
思わず叫んでいた。
でも、純は振り返らなかった。
俺はただその場に立ちつくしていた。
昼休みが終わるチャイムが鳴る。
教室に戻りたくない。
でも、純を見たかった。
別れてもそばにいたかった。
なんて自分勝手な男なんだ。
自分が嫌でしょうがない。
はぁ。
ため息を漏らしながら俺は教室に戻る。
・・・いない・・・?
鞄もない。
・・・帰ったのか。
未那が「純を知らないか?」って周りの子に聞いていたけど、誰も知らないと答えていた。
その時未那と目が合う。
思わずそらしてしまった・・・。
気づかれたかな。
その日の部活はボロボロで翔太に『何かあったのか?』と聞かれる始末。
今まで何があってもポーカーフェイスでやってきたのに・・・。