神様の悪戯
丁度、体育館の裏で普段はあまり気にすることなんてなかった。
一本だけ、ひっそりと佇むその姿は寂しそうな印象よりも、凛として雨に濡れて尚一層の強さを感じさせた。
キレー…
あんなトコに桜なんてあったかなぁ…
目立たない場所だから気付かなかっただけ?
こんな日だから、その新たな発見に私は少し得した気分になった。
誰も知らない。
自分だけが知り得たような気になって心の奥が温かくなった。
そのちょっとした発見を気に意を決した私は渡り廊下の先、本校舎を見つめ一歩踏み出した…はず。
・・・―――――ッ!!
なのに、今の私には本校舎も渡り廊下も雨もさっきの桜さえも見えない。
視界に映るのは最悪なアイツ。
そぅ、非常勤の冷血男だった。
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