ブライト・ストーン~青き守りの石~【カラー挿絵あり】
「風呂、入って寝ろよ。あ、制服着替えてちゃんと掛けとけよ。シワになるぞ」
ドアから顔を覗かせそう言って、又ドアを閉めて行こうとした、敬悟の表情が固まった――。
いや、”凍り付く”と言った方が良いかもしれない。
茜を見ているのではなく、茜の後ろにある窓辺を食い入るように凝視している。
その表情は、今まで見たことがない種類のもので、茜は意味もなく心がざわついた。
――なに? 怖い顔して……?
ちりちりと首筋の産毛が粟だつ。
「茜っ……!」
「え?」
「そのまま静かにこっちに来いっ!」
押し殺したような声とその表情にただならぬ物を感じ、茜は敬悟に言われるまま静かにベットから降りた。