ブライト・ストーン~青き守りの石~【カラー挿絵あり】
そして、『ふう』と一つ大きく深呼吸をする。
浅かった呼吸が徐々に深く大きくなって行く。
「ん……じゃ、このくらいで、完治するかな……」
そう言うと敬悟は茜を引き寄せ、唇を重ねた。

「ん……!?」
茜は、突然の事に、頭がパニック状態でどうして良いのか分からない。
「ん……!?」
「何故だ!? 何故、あの傷で動ける!?」
上総が目に見えて、狼狽する。
――まさかこの娘、無意識に己の力を使ったのか!?
上総が茜に言ったことは、半分真実で半分嘘だった。
確かに身体能力は、変化した上総の方が勝る。
相手がクオーターの敬悟ならば、体力、精神能力のどちらをとっても負けることは無い。
が、茜は違う。最も血の濃い『純血体』。
体力はともかく、精神エネルギーは上総では遠く及ばない。
だからこそ、こんな姑息な罠を張って茜を、その力を手に入れようとしたのだ。