ブライト・ストーン~青き守りの石~【カラー挿絵あり】

――私のせいだ。


私がもっと上手に守りの石をコントロール出来ていたら、自分の力を使えていたら、こんな酷い怪我をしないですんだはずなのに。


「大丈夫だ。見た目ほど大した傷じゃないし、もう、ほとんど塞がってるよ」


「……ご……めんなさい」


大切な人を守れない力なんて、意味がない。


そんな力なんて、いらない。


茜は、自分のあまりの不甲斐なさに悔し涙が滲んできて、敬悟の胸に顔を伏せた。


「茜?」


「私のせいで、ごめんなさい……」


ポロリと、一筋、涙の粒が瞳からこぼれ落ちる。


それが呼び水となり、次々と涙が溢れ出して行く。


普段の茜はこんなに涙もろくはないはずだが、休まる暇が無い神経の緊張の糸が、ここに来て切れてしまったのだろう。


ポロポロと溢れ出す涙が、敬悟の胸にほのかな熱を伝える。


「違うよ」


声を震わせる茜の頭をポンポンと叩いてそう言うと、敬悟は茜の背にそっと両腕を回した。


「俺は、自分がしたいと思ったことをしているだけだ。茜のせいじゃない。だから、泣くな」


ギュッと腕に力を込めると、小刻みに震える茜の肩にコツンと額を付けて、諭すように穏やかな声で囁く。


この温もりを守るためなら、失って惜しいものなど何一つありはしない。





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