空中ブランコ




「で、また貴女ですか。」

「えっと・・・・・なんかすいません」





 次の日の夕方、部屋に訪れたのは5人のバンパイア



 入って来て早々、カウディが口にしたのは明らかに敵意ある発言




「いい加減にしなさいよ。仕事に私情は挟まないタイプじゃなかったの?」




 紫の色をした髪の女の人が、腰に手を当てて呆れた顔をする




「(確か……ロシーム、さんだったけ?)」



「トランプの匂いプンプ〜ン」


「トランプの、匂い?」




 フアルクの言葉にメリーが聞き返す




「けっ、聖職者のくせにそんな事も分かんないのかよ」


「分かんなくて当然でしょ!彼女には嗅ぎ分ける嗅覚がないんだから!」



 ロシームに怒られて首をすっこむスンネ





「私はロシームよ。
シルディ様の秘書兼護衛を任されてるわ。」


「僕フアルク〜!」


「………スンネ。」


「カウディです。」


「俺はロシード。あ〜、ちなみに俺とロシームは双子」




 ロシームを指で示しながら、軽い説明が終わる




「あ、この前の豺…」


「お嬢ちゃん?」




 言葉を遮られる



「余計な事は口にしないことだ。口を塞ぐのと間違って首を切っちまうからな」




 空気が揺れて千の針になって刺す




「ロシード」



 静かで突き放さすように冷たい低音の声




「シルディ様…!」


「私のお客を威圧するとは、貴方も失礼な人ですね。
なんなら、貴方もフェルドの元へ送って差し上げますけど?」


「・・・・・・・・」




 嫌な汗が背中を伝う




「失礼、いたしました………」


「・・・・・・・はぁ。
メリー嬢の世話は自制が利くロシームにやって頂きます。女性ですしね」




 疲れたのか適当に言う




 そんなやり取りをボンヤリ見ながら、メリーはあることを思い出そうと必死に記憶を辿る











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