空中ブランコ




「(なんか忘れてる気がするんだよね…………なんだっけなぁー…


マトヤさんと話してて・・・・・・・・なんか約束したはずなんだけど)」









「そうだよ!!!!
Vivienneに連れて行ってもらうはずだったんだ!!!!!!」




 完全燃焼で思い出したように叫ぶメリーに、辺りの温度が急激に下がる


「・・・・・・・」


「・・・・・・・」


「・・・・・・・」


「・・・・・・・」


「・・・・・・・・」


「・・・・・・・クッ、ククク…」



 手の甲で口を押さえ俯きながらも、声を洩らして笑うシルディに、護衛の5人は目から鱗状態





「メリー嬢、VivienneとはVivienne・Lollipop Sweetのことですか?」




 肩を揺らすシルディに、頷きながらも恥ずかしくなる





「そんなにそこのお店のが食べたいなら、連れていって差し上げますよ」


「シルディ様!それは私達が!!」




 ロシームの申し出を手で断る




「私は彼女を連れて少し出かけます。お留守番、頼みましたよ」


「「「はっ。」」」



「えっ?でも、あたし聖職者だし、公爵に連れて行って頂くなんて悪いですよ…!!」


「番人送りから戻って来たら、行くつもりだったのでしょう?
あんな大きな声で思い出す程、行きたかったみたいですしね」




 思い出しているのか、笑っているシルディにメリーの顔がどんどん紅くなる




「では、ちょっと失礼」


「え、でもっ…!!!」





 メリーの胴に腕を回すシルディに、困りながらも断ろうと試みるが、みるみるうちに視界が変わる










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