王様彼氏とペットな彼女!?~Heart Breaker~
「君が斎藤君?」
「はい。斎藤修二です」
全ての点と線が繋がった。
眼鏡をかけお世辞にもパッとする印象を受けない彼が、あたしに手紙を出していた。
「斎藤君、手紙を出すときには名前を書こうね。差出人が分からないとちょっぴり怖いから」
「……はい、本当にすいません」
「あたしの後をつけてた?」
「たまたま帰宅時間が重なった時だけ、先輩のあとつけてました。でも待ち伏せしたり家まで付いていったことはありません……」
彼の態度を見る限り、嘘をついているようには思えない。
「もういいよ」
あたしは俯く斎藤君の顔を覗き込み微笑んだ。