王様彼氏とペットな彼女!?~Heart Breaker~
小野君の部屋に入り、あたしはキョロキョロと辺りを見渡した。
黒いテーブルの上の灰皿には銘柄の違う煙草が溢れんばかりに押し込まれていて。
ベッドの横にはビールやチューハイの空き缶が無造作に転がっていた。
「なんか……小野君にピッタリのお部屋だね」
6畳ほどのフローリングの床の上に腰を下ろしながらそう言うと、小野君は眉間に皺を寄せた。
「何が言いたいんだよ」
「小野君って友達多いんだなぁって。小野君ってみんなに愛されてるよね?」
「別に」
小野君は興味なさげにそう言うと、部屋の中の小さな冷蔵庫からお茶を取り出しあたしに差し出した。