王様彼氏とペットな彼女!?~Heart Breaker~
小野君の家に誘われたのも足を踏み入れるのも今日が初めてで。
「お邪魔します……」
「誰もいねぇよ」
玄関でローファーを脱ぎながら遠慮がちにそう言うと、小野君はさっさと階段を上がっていってしまった。
小野君の家は学校からさほど遠くない場所にあった。
二階建ての洋風な造りの一軒家。
小野君の家の周りには最近新しく建ったであろうたくさんの住宅があった。
ここが小野君の生まれ育った家か。
そう考えると、少しだけ小野君を知った気になって嬉しくなった。
「って………小野君、ちょっと待ってよ!」
でもすぐに置いていかれたことに気付き、あたしは慌てて階段を上り小野君の部屋を目指した。