王様彼氏とペットな彼女!?~Heart Breaker~
「俺は、女に金を出させるのが嫌いなんだよ。お前が金出したら俺が土日返上でバイトしてた意味がなくなるだろ」
「……もしかして水族館の後バイトばっかりしてたのって……」
「別にお前の為じゃない。勘違いすんな」
水族館に行った後、小野君が毎日バイトを入れていた訳が分かり、あたしはホッとしたと同時に申し訳ない気持ちになった。
「でも……それは小野君が頑張って稼いだお金だし、あたしの分まで払ってもらうのは悪いよ」
「お前がそう言うと思って、恥を承知でお前の兄貴にチケットの売ってる場所を聞いて、前売り券買っておいたんだ」
「ケン兄に会ったのって……そのため……?」
すぐにあたしから顔を背けた小野君。
その横顔が赤く染まっているような気がして、あたしはクスッと笑った。
「小野君、ありがとう」
チケットを抱き締めながらお礼を言っても、小野君は返事をしなかった。
もしかしたら柄にもなく照れているのかもしれない。
「小野君、本当にありがとう」
もう一度そう言うと、小野君は無言で頷いた。