想い出の中の虹
小さく動く彼女の唇。


「ん?」


ゆっくり答えを待つ。


「私…………行きたい所、……ある。」


小さな呟きだけれど、しっかりとした意思が見えた。

少しの緊張を一緒にのせて。


「ん。わかった。じゃ、そこに決定。」


頭をくしゃっと撫でると、不安気に見つめていた瞳に少しの光が戻る。

大きな後悔は、少しの安堵に変わった。









そして、その日がやってくる。








お互い、別々の緊張感を胸に秘め、俺たちはその日を迎える。

俺は、美羽が望むその場所が、幸せに向かう場所であることだけを祈っていた。







そして、その日はやってきた。

静かに降る雨と一緒に………。






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