丸太のケーキ
「………まさか、作んの?」


「あれ……嫌?」


手作りのケーキ。

自然とにやけるのを抑えきれない。

甘いものはどちらかと言うと苦手。

でも、何て言うか、昔から憧れもあって、バレンタインには、大きなハートにメッセージを入れたのが一度で良いからほしかったり。

叶えてもらったそのハート。

暫く冷蔵庫で大切に保管した。

結局、そのハートは、彼女が俺の部屋に来る度に、彼女の手でホットチョコレートに変わっていく事で姿を消した。


「これ、私が作ったのにね。何か変な気分だな。」


ちくりと嫌味を言いながらも、美味しそうに口にした。


今回のケーキも、実は小さな頃から憧れていたと言うのは内緒である。




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