丸太のケーキ
「ちゃんと食べるよね?」


最後の朝の公園で、真剣に確認され、思わず頷いていた。


「もちろん食べます。」


「残さない?」


「………残しちゃ駄目?」


「駄目。」


可愛い目が嬉しそうに笑ってる。


「了解です。全部……いや、はん」


「全部!」


「………全部…です。」


勝ち誇ったように笑顔になった。


「約束ね?」


小指を差し出され、拒絶出来ない俺。


「はい、約束。」


つい、してしまった約束。

後悔したってもう遅い。

ほら、キッチンの中では、張り切る男前な彼女が卵を割っている。


「これね。実は、簡単なんだ。飾り付けだね、問題は。」


そう言って広げられたクリスマス特集。


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