満ち足りない月




それを聞いた途端、少女がまたも皮肉そうに笑った。


「はっ、何が婆さんだ。全く礼儀を知らない小僧ばかりだな」


セシルは目を丸くした。


リュエフまでも小僧呼ばわり。

やっぱりこの子……



セシルが口を開こうとした時だった。


ふいに扉が開く。


「冷めないうちにどうぞ」


先に入ってきたのはさっきの少年で、手にはトレイ、トレイの上には温かそうなスープが入った皿が三つ並んでいた。


その後ろからラルウィルが続く。

彼のトレイにはサラダと大きなパンが乗っていた。



食事は一方的なラルウィルと少年の会話に包まれていた。


少女は黙々とパンを頬張り、話についていけないセシルもまた同じように食べ続けていた。
< 194 / 255 >

この作品をシェア

pagetop