満ち足りない月
それを聞いた途端、少女がまたも皮肉そうに笑った。
「はっ、何が婆さんだ。全く礼儀を知らない小僧ばかりだな」
セシルは目を丸くした。
リュエフまでも小僧呼ばわり。
やっぱりこの子……
セシルが口を開こうとした時だった。
ふいに扉が開く。
「冷めないうちにどうぞ」
先に入ってきたのはさっきの少年で、手にはトレイ、トレイの上には温かそうなスープが入った皿が三つ並んでいた。
その後ろからラルウィルが続く。
彼のトレイにはサラダと大きなパンが乗っていた。
食事は一方的なラルウィルと少年の会話に包まれていた。
少女は黙々とパンを頬張り、話についていけないセシルもまた同じように食べ続けていた。