満ち足りない月




「…但し」


ラルウィルは人差し指を立てて、セシルを見た。



「一日だけ。それから絶対に屋敷の部屋や物に触らない。あと、いくら汚くても文句は言わない」


汚ないっていうのは自覚してるんだなぁ。セシルは関係のない事をぼうっと考えた。



分かったというようにセシルはコクっと深く頷いた。



するとラルウィルはすぐに立ち上がり、「さてと」と呟いて一息つくと、「遅い夕食でも食べるか」とセシルを見ながら、温かく笑った。
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