彼女はいなくなった


「―― 裕ちゃん」



 ふと僕を呼ぶ声が聞こえ、はっとする。



 呼ぶ声の方を振り向くと、彼女の姉である静香さんが立っていた。



「あ、お邪魔してます」



 僕は慌てて立ち上がり、頭を下げた。航も同様にする。



 静香さんは「いいのよ」と小さく笑って手を振ってくれた。



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