女子DEATHヒーロー

めがね男子

 ヤン長から逃げ出したあたしは疲労感がピークで教室に行く気力がない。あ、ちなみに本当にトイレ行きたかったわけじゃないから行ってない。

「保健室……止めとこ」

 燿兄がいる保健室……ちょっとこわい。でも、行くとこないしなぁ。
 とりあえず、センセーに見つかった時の言い訳を考えながら校内を散策することにした。

 うん、相変わらず広い。危うく迷子になりそう。……なってないよ、あたし。なりそうなだけだから。

 授業中だからか人の気配がない。
 若干心細くなってきたあたしは無意識の内に声がしないか耳に全神経を集中させながら歩いていた。

 微かな物音を感じて、あたしは第二音楽室の前までやってきた。第一音楽室はどこなんだろ?そんなことを考えていると、ガタンという大きな音。

 扉を少し開いて中を覗くと、不良さん3人と眼鏡男子が1人いた。明らかに眼鏡男子が虐められている。

「風紀委員かなんだかしんねーけど、お前目障り」
「な、僕は何も……」

 涙目な眼鏡男子が言うと、不良の1人が近くにあった譜面台を蹴った。うるさい。

「存在が迷惑なんだっつーの!」

 そう言った不良は眼鏡男子の胸ぐらを掴むと……殴った。顔を殴った。
 倒れる眼鏡男子に群がる不良たち。それは楽しそうに蹴る姿。あれは……葉月センパイの仲間なんだろうか?それとも、ただのここの生徒?


 どっちにしても……。


「腐ってる」


 あたしは邪魔な眼鏡とウィッグを取ると、廊下の端に置いた。ついでに、偶然ジャージをはいてたからスカートも脱いだ。あ、Tシャツ着てるから上も脱ご。さすがに制服を廊下に放置はいけない気がしたからそこら辺のロッカーに投げ入れた。
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