女子DEATHヒーロー
 部屋に戻って着替えると、冷蔵庫に飲みかけのミルクティーを戻してソファーに座った。
 イヤな予感しかしない。はっきり言って……逃げたい。逃げても見つかるし、後がコワいから何も出来ないけど。

 ため息をつき、そわそわしながら待っているとドアが開いた。……鍵閉まってたはずだけど。

「よぉ」
「やぁ」

 拓兄と燿兄は部屋に入ってくると、あたしを押しのけてソファーに座った。
 わざわざあたしの場所とらなくても座れるじゃん!
 そんなこと言えるはずもなく、あたしは一人掛けのソファーに座った。

 長いソファーの方がゆったりだもんね……。

「……」
「……絢」

 あたしはかなり体が強張った。何を言われるか……聞いちゃいけない気がする。聞いたら絶対に後悔する。

「あ、何かいる?」
「いらん」
「あ、そう」

 バッサリ斬られた。今、心の中で泣いたよ……あたし。

 何が言いたいのか……分からないからコワい。どっちかの親衛隊に入れって言われるのかもしれないし、別のことかもしれない。

 絶対にいや!親衛隊とか……寒気がする。

「絢……風紀委員になろっか」
 ……。そっちか!

 強制する言い方だよね、燿兄!

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