君に染まる(前編)
あたしと獅堂先輩に一言ずつ残し、
植野先輩はダンボールを抱えて
歩いて行った。
「誠実ぶりやがって…な?」
「…いい加減にしてください」
「あ?」
「植野先輩はキャラじゃなくて
本当に誠実なんです!
植野先輩のこと何も知らないのに
勝手なこと言わないでください!」
思わずそう叫ぶと、
「…まじむかつく」
先輩は低い声で呟いた。
「なんであんな奴かばうんだよ。
お前騙されてんだぞ?」
「植野先輩はそんな人じゃ…」
「あ!」
急に声をあげて
あたしの言葉をさえぎると、
獅堂先輩は顔を近づけてきた。
「な、な、な、なんですか!?」
「お前…あいつに惚れてんだろ?」
「え…」
「ほらみろ、やっぱりな。
顔赤くなってんぞ」
そう言われ、思わず顔を背けた。
「ふーん?そっか、そう意味か…」