不器用な指先
『信…一さん…?』
『……』
手術室の扉の前の二人を見つめたまま、信一さんに問い掛ける。
『信一さん…透は…どこ…?』
『………っ』
耳元で、信一さんが息を噛む音がした。
無意識のうちに、彼の腕を掴む手に力がこもっていく。
加減の仕方さえ忘れた身体は、込み上げる何かを溢れさせる代わりに、ひたすら彼の腕を締め付けていた。
『ねぇ…透は…どこに……』
『実冬ちゃん…』
『どうして…あの部屋から出てこない…?』
『実冬ちゃん…っ』
『ど…して…透は……』
―実冬とたくさんの子供がいて―
―幸せ…だろうな…―
『………っぁあ…っ』
私は信一さんの胸から崩れ落ちた。