手のひらの終焉
アモーレにドキドキしている自分が、恥ずかしかった。

アモーレが女の人な身体だからじゃない。

自分が、誰かに心を奪われているのが恥ずかしいのだ。

たくさんの人の命を消してきた自分が。

それなのにアモーレは、リャウカをやさしく包んだまま、離さなかった。

「バカね。

あたしにドキドキする必要なんかないのに」

鼓動はしっかりとアモーレに伝わっていた。

「もっと他にいないの?スクセとか」

笑うように言った。
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