手のひらの終焉
そういえば、お酒のせいでひどい目に会っていたのだ。

ずっと世界がぐらぐらと揺れたり回ったりしていた。

その状態を、いつの間にか、脱していた。
 
アモーレに会ったあたりからだろうか。
 
アモーレのことを想うと、心臓がぎゅっと痛んだ。
 
なぜだろう、もう、二度と会えないような気がする。

「大丈夫。リャウドはすぐ行ける?」

「任して。

でもちょっとだけ待って、用意するから」

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