手のひらの終焉
リャウカが彼を撃ったのは、

彼を砂漠に向かわせるのを足止めするためだった。

いくら顔の効く人物でも、

頭に血の昇った連中の中に飛び込んでいくのはまずい。

かなりな犠牲者を出すのは覚悟の上で、

戦闘の威力が納まるのを待った上で中に入る方が得策なのだ。

それまでの、時間稼ぎになればいい。

あと、自分の身を守ることを、もっと真剣に考えるいいきっかけだ。

自分の身に、どれだけ多くの人間の命がかかっているか、

もっと、重く考えてくれないと。

リャウカは立ち上がった。


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