手のひらの終焉
マモウルはニッコリ笑いかけると、その視線は無視して、

また肉を優雅に食べることに挑み始めた。
 
そうしながらマモウルはあることに気付いていた。
 
イズミはリャウカにそっくりなのだ。

今まではそんなこと感じせず、ただ、自分になつく

可愛い子供としてしか見ていなかった。

ところが、今、マモウルの方を見ていた目にどきっとさせられたのだ。

目の色や髪こそ漆黒だけれど、よく見ると顔の造りはおろかその仕草までが

リャウカに酷似していた。
< 255 / 262 >

この作品をシェア

pagetop