手のひらの終焉
リャウカが訊くと、スクセは笑った。

「君のことだよ。

そういう風に世間に言われているのを、知らない?」

「知らない」

「その目に見つめられたものは、確実に命を奪われる。ってね」

リャウカは苦く笑った。

 
そんなこと、言われてるのか。


「テントの中も見た目より広いよ。

寝相が悪いのがいたら、殺気立つけどね。

イビキが酷い奴とか。

どっちもここにはいないけど」

 スクセが言うと、リャウカは笑い出した。

「じゃ、あたしが夜中につまみ出されるかも」

「そう、なのか?」

と、やや迷惑そうに、スクセはリャウカを見た。


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