手のひらの終焉
絨毯の向こうには、ヤクラもマイナーも、

スクセも、まだ、名前を知らない人達も、毛布に包まっている。
 
いるハズの女性陣やイズミの姿が見えないのは、

信用度の薄いリャウカから、安全のため隔離しているからだ。
 
ということは、少し前に彼らのところへ送り届けたイズミは、

ここで彼らの信用を完全にモノにしたということだ。

それだけでも、リャウカは満足だった。

例え、自分の信用が永遠に得られなくたってかまわない。

転がったヤロウ達の間をすり抜けて、

リャウカはそっと、テントの外に出た。
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