手のひらの終焉
誰もリャウカが通り抜けたことに気付かないことに、少々呆れつつ。
 

こんなんで、世界を変える組織を目指しているなんて、片腹痛いというか。
 
でも、まあ、今はまだ、ここ砂漠にいるということで、

比較的安心して暮らしている人達だから。
 

テントの外には、闇しかないと思っていたのに、

その明るさに驚いた。

何だ、この光源。

リャウカは、空を見上げて驚いた。

空だ。
 
圧倒される量の星達が、まぶしくキラめいている。
 
こんなにも、星って存在してたのか。
 
手を伸ばして掴もうとしても、届かないのが不思議なほど、

空に鈴なりの星。

「キレイだろ」
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