手のひらの終焉
リャウカのことは信用し切れてない。

それに、好意的にも思えていない。

それでも、本人の気質は勝手にあふれ出る。
 
リャウカは、スクセの姿を眺めると、同じように空を見上げた。

「本当だね。落ちて来そうで怖いくらいだ」
 
見上げる仕草で、ピアスが揺れて、頬に当った。

 降って来て、飲み込まれそうな星空から目を逸らし、

リャウカは、ピアスを外した。
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