手のひらの終焉
その笑い方が、嘲っているように見えたのか、

スクセはちょっとムッとした顔をした。
 
だけど、ぐっとこらえて飲み込んだようだ。

代わりに、

「キレイだろ」

空を見上げながら再び言った。
 
全身から、その温和な気性と優しさがにじみ出ていて、

喋り方や、仕草の一つ一つにも、その中味が溢れ出てくる。

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