Rain
『昨日はごめんな。なんか色々言ってもうて…』


怒鳴られた時の声は─
まだ耳に残ってる───


『あ…いいよ。大丈夫。あたしもごめん。やっぱり検査は受けられへん』

『なんで?』

『受けて型が一致しても手術はできひんねん』

『なんで?一致したら移植手術できるやろ?』

『これ…見て…』



あたしは産婦人科の先生にもらったエコーの写真を聖夜に渡した。



『なに…?えっ!?もしかしてほんまに?』



唯一の救いは、
聖夜の笑顔だった。


困った顔をするかもしれないと思っていたのに、聖夜は嬉しそうな顔をしていた。






でも、少し間があくと
お互い黙ってしまった。


赤ちゃんができた嬉しい気持ちと、検査を受けられない歯がゆさで、
あたしも聖夜もきっと複雑だったんだ。
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