Rain
『でも仕方ないよな…。新しい命が知香の中に宿ってんねんから。俺らの赤ちゃんやねんもん。産んで幸せにしたろう』

『うん…』

『あと今言うべきなのか分からんけど…結婚しよ。俺が知香を幸せにするわ。約束する』



あたしは…
生まれてきた良かった。


生きてて良かったんだ。



お母さんが死んだ時、あたしも死にたかった。

あたしには生きていく支えがなかった…。





あれからどれくらいの時間が流れたんだろう。



お母さん。

あたし…



やっと…

やっと…幸せになれる。
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