Rain
『おっちゃん!!ここでとりあえずいいです。女の子先におりるんで。あとまた来た道戻ってもらえます?あっ知香ちゃん、コレ。お詫びってゆうたら変な感じやけど』




タクシーが止まり、そう言って渡された2つの袋。

正直重かった。

でも…嬉しかった。







『ありがとう。ごめんねほんま』

『えぇよ!!ゆっくり寝て早く治しや』






ブーン…

聖夜くんを乗せたタクシーは静かに走って行った。




お詫び…か。

あたしの自業自得やのに。

雨になんて打たれたから…






『はぁっ…』

部屋に着いたあたしは聖夜くんに渡された袋の中身をテーブルに並べていった。




熱を冷ます冷えピタにおかゆ三つ…

ポカリにリポビタンDにレモンのビタミンCドリンク。

カロリーメイト…フルーツゼリー…




意味の分からないクロスワードと関西ぴあの雑誌。




あの人買いすぎやん…。

だいたいクロスワードって。解いてたら余計に頭痛くなりそう。





少し笑ってしまった。

でも…

本当に嬉しかった。
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