my name
うー。顔上げたくないー。
「そーらー」
だから名前を呼ぶなー。
♪〜
あたしの携帯が短く鳴った。
緊張していたのか聞き慣れている筈の着信音に肩がビクッとした。
当然それはくっついてる赤木君に伝わったと思う。
「ママだ。夕飯出来たって呼んでるんだよ」
と、立ち上がり一気にドアまで行き、そのまま部屋を出た。
ふー。いきなり出てきちゃったけど大丈夫だったかな。
ま、いいや。やっと逃げ出せた。
あたしは赤木君1人部屋に残し、さっさと階段を降りてリビングに向かった。