ミッドナイト・ブルー
私達こう言う仕事していますと速く走らす為のチューニングはよく来ますが、乗り易さを考えたチューニングは初めてでした。こう言う方向性も有ることを教えられました。」と言い一つ一つ説明をしてくれた後、最後に、一枚のDVDを取り出し
「説明は、終わりです。このディスクは、このクルマと一緒に渡してくれとご主人に頼まれましたので、お渡し致します。」と、言うと愛美の手に渡し
「何か、不都合や故障等有りましたらお電話頂ければ国内であれば早急に伺います。電話は24時間受け付けますので何時でも下さいそれでは、失礼致します」と、言うと帰って行った。
愛美と潤子は、キツネにつままれたようにしばらく佇んでいた。
すると、潤子が
「ドライブしてみようよ」と、言い出し助手席に乗り込んだ。
愛美は仕方なしに運転席に乗り込み出発した。
しばらく市街を走りケンと初めて会ったカーショップにクルマをとめた。
店の中から、店長が出て来て
「あれ〜愛美ちゃん、どうしたのクルマ何時買ったの」と話し掛けて来た
「こんにちは店長さん、ケンが、買ってくれたの今日納車で、今試し乗りしてたの」
「それにしても、凄いクルマだね。良く出来てる。ちょっと見て良いかな」
「いいよ、凄い乗りやすいの」と、潤子と愛美はクルマから下りると、店長に鍵を渡した。
「乗って見て良いのか」と、店長は嬉しそうに言うと店内に向かって
「真一、店頼むぞ」と、一言かけるとクルマに乗り込むとエンジンをかけ走り出した。
二人は店内に入って行き一番奥のソファーに座り込むと、そこに愛美の前の彼だった真一がコーヒーの入ったマグカップを、二つもってやって来ると二人に渡し
「久しぶり愛美、元気にしているか」と、声をかけてきた。
「私、至って元気よ。この間店長さんに聞いたよ。今度此処で仕事を始めたんだってね頑張りなさいよ」
「そうなんだ、気が付いたんだ、俺今まで何かに一生懸命になって取り組んだ事が無かった事に、」
「やっと気ずいたね、とにかく仕事頑張りなさいよ、店長さんに可愛がってもらって」
等と話していると店長が帰って来た。
「あのクルマ良くできてるな、エンジンは良く回るしブレーキは良く効くしボディーはかなり剛性は有るし本当に良いクルマに仕上がっているよ」と、感激したように熱く話して来た。
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