Virus
カン カン カン…



遊志を先頭に涼、裕大、宏之、淳志の順で階段を上る。



階段を上り切った。



遊「ふー……。よし…開けるぞ?」



涼「うん」



俺等の中に緊張が走る。




ギッ…ガチャ……



バッ!



それぞれ武器を構えたがドア付近には何も居なかった。



遊「なんも居ねぇな…入ろう」



タッと中に入るのと同時に異臭がした。



涼「うっ…なんだこの匂い…」




俺は思わず袖で鼻と口を覆う。




なんだこの匂い…



むせ返るような、不快な生臭さ。



血の匂いと…肉の匂い…?



裕「うっわ、くせぇ」



淳「これは…腐敗臭…?」


遊「死臭と…血肉の匂いだな…」



嫌な予感が過る。



一般乗客が乗る座席がある部屋のドアを開けた。



「!!!」



中は…死体だらけだった。


あのアナウンスを聞いた人達だと考える。



機内は赤一色だ。



赤 赤 赤…



頭がおかしくなりそうだ…。



淳「酷い……」



匂いがよりいっそう強くなった。



死体は頭がない者や腕がない者などとにかく酷い状況だった。



遊「これは…マジでやばいな…さっきの化物に決まってる…」



裕「ここに居ねぇって事は…」



涼「外の瞳達が危ない…外に出よう」



男子は皆、外に歩き出す。



俺はここから一刻も早く出たいと思っていたのもあった。


すると



「きゃあああ!」



涼「!!」



外から悲鳴が聞こえてきた。
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